店長の穴

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エピソード2 ここだけの話 


「ここだけの話」。
あるいは「内緒だけど・・・」と人から告白される類の話。
この手の話は、だが大抵「ここだけ」ではなく「内緒」でも「秘密」でもない。

口が堅いのが幸い(災い)して、よくこの手の話を打ち明けられる。
 「ふんふん」「そうなんだ」
と聞くが、もちろん誰にも話さない。
が、「秘密よ」と言われた話を、ひょんなことから別の第三者から聞くことがある。
その時になって、秘密の話が実は秘密でなかったことが判明する。
  なんだ、誰にも言っちゃだめだよって言ってた本人が
  いろんな人に話してんのか
脱力感とともになるほどな、と思い当たる。

秘密と言うのは「重い」のだ。
重いからこそ秘密なのだが、自分の秘密はさておき、他人の秘密は重いがその分「おもしろ」くもあるのだ。
他人の秘密を知ってしまうと、往々にして他の第三者に話したくなるものらしい。
で、「ここだけの話」「内緒の話」となるわけだ。

さてここで問題が発生する。
話が先に伝わるにつれ針小棒大となっていき、発信源もうやむやになっていくのだ。
話の「主人公」は変わらないが、いつの間にか「話」自体が一人歩きを始める。
こうなると「ここだけ」とか「秘密」とかはどこへやら、
 「なんでアンタまで知ってんの!?」
な世界になっている。

これは「秘密」を打ち明ける相手を十分選択しなくてはならない、と言うことだ。
それよりも大体において、「秘密なんだけど」と第三者に打ち明けた時点で、それはもう秘密でも何でもないということを心しておかなければならない。

でも、キミ達に重いものは私にも「重い」のだよ。
頼むから、「内緒だけど、」と言う話は私にも内緒にしといてくれ。

うっとうしいんだよ、いやここだけの話。