店長の穴

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エピソード１５　ぐるぐるグルーピー

いやぁこの年齢（とし）になって初めてホンモノを見ましたさ。

先日、向かいのF屋に新人バイトが入ったのだ。
それも大学一年の男の子、しかも「女の園」の店頭販売の場所に、だ。
ケーキ製造の場には男の子もいるが、件の彼は「外」まわりを熱望したという。
・・・珍しい。はっきり言って変わってる。
なもんだから、うちのフリーター連中（女の子）からは
　「絶対ナンパ目的ですよ」
という噂がまことしやかに流れていた。

　「いらっしゃいませ〜。」
いつも通りの接客風景。
が、店内に入ってきた女の子３人組は、何を注文するでなく１０分近く店内をきょろきょろうろうろ。
　（・・・？　なんじゃいこいつら）
とそこへ件バイト君登場。　あからさまにそわそわとざわつく３人組。
その様子を見たフリーターが、
　「あー、あの子達あの男の子の友達らしいですよ。　初日のシフトの時も店の周りう　ろうろしてたし、ファンらしいですよ。」
　「はぁ？？」
しばらくしてF屋の制服に着替えて店内に姿を現したバイト君、その姿を認めるなり、
　「キャ〜〜〜、カワイイ！！」
３人組の嬌声が店内に響き渡ったのだった。

　「・・・つまり、おっかけってこと？」
　「みたいですね。」
のっぺりした顔、垢抜けないしぐさ、おどおどした小動物のような動作、背も高からず低からず。
どう見ても「中の中」。
うむ。　私のアタマが古いのか、一般人にもそういうものがつく時代なのか。　「ペット」感覚なのか。

ま、個人の趣味は置いといて、仮にも仕事（バイト）先にまで押しかけてきてキャーキャー騒ぐとは・・・。
一般常識というのをガッコーの必修科目に加えてほしいもんだと本気で願っちゃったぜ。