えいがファンの舞台裏

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舞台裏３　「ＴＨＥ　ＤＡＹ　ＡＦＴＥＲ」

「ＴＨＥ　ＤＡＹ　ＡＦＴＥＲ」という映画（ＴＶ映画）があった。
核戦争のまさに「その後」を扱ったものだ。舞台はやはりアメリカの都市だった。廃墟の中、僅かな希望を抱いて生きる人々を描いていたが、この映画では結末は描かれていなかったように記憶している。核戦争（後）の悲惨さを警鐘する描かれ方でハッピーエンドではなかった。

ＣＮＮのニューステロップにこの文字があった。
今回のこの「ＴＨＥ　ＤＡＹ」とは当然「同時多発テロ」のことだ。

通信手段が発達した現代、ニュースはもはやライブで見るのが当たり前のようになっている。
「湾岸戦争」しかり、今回のニューヨークの惨事もまたしかりだ。
が、ライブで見ているにもかかわらず、この現実感のなさはなんなのだろう。
ＴＶのライブ映像は、確かに「視覚」や「聴覚」を刺激する。しかしそれは痛みを伴わないものだ。
血の匂いもしなければ、モノの焼ける匂いもしない。
あくまでもＴＶ画面の中の出来事なのだ。

今回のこの「ＴＨＥ　ＤＡＹ　ＡＦＴＥＲ」にもハッピーエンドは訪れない予感がする。
いつも流されるのは、罪のない人々の血だ。
無差別のテロ。それに対する報復。報復に対する報復・・・。
どちらにも正義はあるのだろう。だがそれは、エンドレスな憎しみを増長していくだけだ。

四角い画面から流されるのは他人の血、涙、怒号。

確かにリアルタイムで「見る」ことはできる、が決して「感じる」ことはできないのかもしれない。
映画のスクリーンを観るように、現実感のないまま・・・。