穴の穴

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　あれだけワイドショーが執拗に追い回していた「白装束集団」。　彼らのことがTV画面から遠ざかったのはいつだったろう。
　それさえも思い出せないほど、マスコミの引き際はあっさりとしたものだった。

　彼ら（というか団体の千乃某女史）が異常に警戒していた「電磁波」。　電磁波の人体への影響云々はＳＦの世界では結構ポピュラーな素材で、「J・M」という映画の中でも採り上げられていたりする。
　これは今話題作の主演俳優でもある「キアヌ･リーブス」が出ていた作品だ。
　（彼の敵役というか、ジャパニーズ・ヤクザを北野武が怪演している）
　さて近未来が設定のこの作品、「電磁波」に冒された人々がたくさん出てくる。
　電磁波が、本当に人体に被害を与えるかどうかは諸説あるのでなんとも言えないけど、本当ならば電磁波の溢れかえっている現代人には「Ｊ・Ｍ」的な未来が待っているのかもしれない。
　「パナウェーブ」なるものが実在するかどうかはおいといて、それよりも「もうすぐ死ぬ」と言っていた全然死にそうにない千乃女史。　フ○ＴＶが好きで、あれだけ電磁波に過敏になっていたはずなのに取材を受けたり、あまっさえキャスターを指定するなんぞ結構ＴＶ観てるのではないのか？？と思ってしまう。
　彼女の口から出る言葉は、ある意味電磁波よりも強烈で危険。　訳が解らない上に、あの年代の女性特有の頑固さが見えて失笑しつつも、そういう彼女の話に感化される輩がいることに薄ら寒さを覚える。

　巷には電磁波よりももっとオソロシイ「毒電波」が氾濫している。
　指先ひとつで出遭える「それ」らは怖ろしいけれど面白い。　人間はなんて多種多様でしかもダークな生き物だろう。
　もちろん、出遭う「毒」がすべて本物ではない。　中には装った「毒電波」な人々もいるからだ。　そんな中で時折遭遇する「本物」。　いやぁたまりませんて。